前川 秀樹
ラトルズ (2010/01/01 出版)
141p / 30cm / A4判
アーティスト・前川秀樹氏の、新作を含む80点余の"像刻"を
気鋭の写真家・首藤幹夫氏が1年の月日をかけて
1点1点、ていねいに撮り下ろしました。
縁あって譲り受けた雑木と対話しながら、人のかたちに彫りだした像刻作品群は、
きっと見る人の心を深く揺さぶるにちがいありません。
たとえば、区画整理で伐採を余儀なくされた桜や山桃。あるいは神社の敷地で長年清められてきた楠や、塚守りの檜(ひのき)……。アーティスト・前川秀樹氏は、伐られ捨てられ朽ちる前のそれらの樹木に、少しだけ手を加えて息を吹き込み、形を彫り出して次へと繋げています。農夫が足元の大地に鋤を打ち込むように、目の前の雑木に盤(のみ)を刻む。樹木が年輪のうちに抱えてきた、そして作り手自身の中に眠っている物語を掘り起こすために。
前川秀樹 Hideki Maekawa
1967年淡路島生まれ。武蔵野美術大学油絵学科卒。1991年より彫刻の制作、発表を始める。’95年にKAJIMA彫刻コンクール金賞を、’96年に武蔵野美術大学パリ賞を受賞し、渡仏。帰国後は、企業ギャラリー等での彫刻発表、平面作品の個展に加え、家具やアクセサリー、照明器具をはじめとする生活道具のデザイン制作、空間設計、プロダクトデザイン、子供と大人を対象としたワークショップ等、活動の幅を広げている。
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